タイ古式マッサージのセラピストとして、都内のサロンや温浴施設や出張などで7年間勤務しながらインストラクターとして資格を取得、今は体に携わるお仕事をしていますが、元々は全くちがいました。どんな人物か気になった方のために、体に興味を持ちはじめ現在に至るまでを書いていきたいと思います。

東京で生まれ、東京で育ちました。幼少期は絵を描くことや一人で何か作るようなインドアアクティビティが大好きで、美術の学校に通っていたほどでした。運動は苦手なのであまりしてこず、どちらかというといわゆる隠キャとして学生時代を送ってきたので体育の時間は友達とコミュニケーションを取らなくてはいけないし運動をしなくてはならないので嫌いでした。そんな私ですが、18才の頃、何かを大きく変えたいとの気持ちから、「ミュージカルの役者になるんだ!」と思いつき、クラシックバレエや声楽やお芝居を習い始めたのが自分の体と向き合う初めての経験でした。

運動を殆どしてこなかったので、バレエはとても難しく、毎日のストレッチで体はなんとか柔らかくなったのにどうして立った状態だとその位置まで足を上げることができないのだろう?しかもこんなにレッスンに通っているのに(当時週7回以上通ってることもあった)どこを使ってあげているのかすらわからない、サボっているわけではないし知りたいと思ってるし先生も熱心に教えてくれるのに、無駄な力が入り、その力の抜き方もわからず、どうやったらできるのか全くもってわかわからない、という感覚がありました。上達に限界を感じましたが、この時期にはじめてバレエの先生からフェルデンクライスというボディーワークを受け、体の動き方の習慣に気づいたり変化を促すようなアウェアネスという考え方や体を動かすことの面白さをこの時期に感じ始めることができたと思っています。

それでも4年間お稽古を重ねたのち、憧れていた劇団四季のオーディションを受け、書類審査が通ったわたしは喜んであざみ野のスタジオに1次審査を受けにいきましたが不合格となり、翌年全てのレッスンをやめて、もともと長年学んでいた美術の世界へと戻っていきました。

時は過ぎ、20代後半まで色々なアルバイトをしながら美術活動をするという生活をする中で、お金のためだけに自分の興味と関係ない仕事をするのではなく、興味を持ち続けられることを仕事にしたいと思うようになり、その時自分のケアに通っていたタイ式マッサージをやってみたいと思い、学び、セラピストとしてのキャリアをスタートしました。自分がいいと思っていることをお客様に提供できたり、痛みが緩和し喜んでいただけるのがとても嬉しく働いていました。

それから5年程度経ったある日、突然子宮筋腫という婦人科系の疾患があることが発覚し、分かった日にはもう手術が絶対に必要(しかも完全なる開腹手術が!)という状況でした。それから、3ヶ月後の手術に向けて筋腫の大きさを少しでも小さくして、腹腔鏡手術という小さい傷口で済むようにするために女性ホルモンが減る薬を飲みました。当時30代中盤でしたが、副作用で擬似的な更年期を経験し、体中がなぜか凝り、首や肩が痛すぎる。夜は何故か眠れないし、鬱状態にも。同僚に仕事の合間にほぐしてもらったり、整骨院に通ったりして楽にはなるもののそれだけではケアが間に合わず、どうにかしたいと思いヨガに行ったりしている中でなんとなく受けたのがピラティスでした。心地よくて辛くないのに、終わった後に痛みが緩和して心もスッキリし、擬似更年期の辛さを緩和することができました。

無事に手術がおわり、傷口もふさがった頃からピラティスを再開しました。手術前の辛さ緩和のために行っていたピラティスですが同時にある発見がありました。それは、バレエをやっていたときになぜ足が上がらなかったのか、がわかるようになったことです。足が上がらない原因はインナーマッスルの大腰筋が使えてないからでしたが、その先生のキューイングとともに動いていったら自然と出会えちゃった(大腰筋に)」という感覚で、とても面白い感覚でしたし、ずっと運動神経が悪いから永遠に無理だと思ってきたので嬉しさもありました。それから、ピラティスの資格を取り、更にその先生の考えの土台には「ロルフィング」というボディワークのエッセンスがあると知り、学びはじめ、今に至ります。インナーマッスルは「動け!」って指令を出すよりも感じることで働きはじめること、できない動きがあっても重力の力を借りる意識を持つと動きやすくなることもあること、伝え方や考え方だけでこんなにできないと思ってた動きが楽にできるようになること。これらの考えが全てyuru:go をはじめる土台になっています。

このような経験から、マッサージでゆるまることも、自分で動いてみることもどっちも体と心にとって必要だと感じています。なので、両方同時にできる場を持ち、少しでも興味をもっていただけた方にyuru:goを自分の体を知る時間として利用していただけたら嬉しいし、そのような時間を提供できるよう探究していきたいと思っています。(ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました!) 2024.07.07